ホコリは空間に、日常生活の中に
当たり前にあって
メディウムとしての「ホコリ」の存在が、
2020年から開始した、
コロナ時代において
注目されはじめたのには、
大きな理由があったのである…!
緊急事態宣言下の日常で
部屋で過ごすうちに
棚や机に
蓄積されてゆく
「ホコリ」「ごみ」への
繊細な視点は、
やがてアーティストの
ひらめきや映像感覚の場の表現へと
繋がってゆく…
主な上映作品(2021年)「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 短編入選作品」「カルト国際映画祭 入選作品」等
グループ展(2023年)『さいたま国際芸術祭公募プログラム〈盆栽四季の家〉』にて、埼玉県を中心にした歴史に関連する展示や、
(2022年)『六本木アートナイト オープンコール』にて、広告が爆走する都市としての東京の街中を《東京曼荼羅》映像作品で表現し、関東首都圏の中心である「東京」が、常に破壊されたり創造されたりしていることを観賞者に伝えている。これらインパクトある作品を手掛けた映像作家の坂根大悟さん(@daigorere)は、大阪府と埼玉県出身で、学習院大学で映画史を研究してきた若手のアーティストだ。
化学者、研究者でありアーティストの市川しょうこさん(@shoko_uwo2)と、坂根さんは【UWOUWO】というユニットを組んでおり、今回の「横浜微塵美展」は山手イタリア山庭園の門の目の前(道路を挟んだ反対側)にある、アート・ギャラリーアウル(gallery OWL)にて、2024年1月30日(火)から2月4日(日)まで開催された。こちら展示は、文化庁初の発表支援プログラムで、令和5年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業の一環だということで、最新のデジタル技術をかなり駆使した、科学装置インスタレーションである!
入口から会場へはいり、最初の展示は、手にアルコールを噴射してくれる。アルコールのついた手のひらを、映像作品の手前に影絵のように出すと、モヤがのぼる様子が確認できるが、これは光の屈折によるシュリーレン現象なのである。
参加クリエイターは、1、2階の音楽制作は、髙橋涼馬さんが担当しており、神奈川県出身のミュージシャン。mol-74のベーシスト、またSeebirdsのフロントマンとしても活動している、注目のアーティスト!@ryoma_takahashi_
地下1階の音楽制作は、あみひつじさんが担当。(@ami0213)
『ゆるし』『癒し』『祝福』をテーマに歌うシンガーソングライター。主に都内ライブハウスや、インターネット、アプリなどで活動。シンガーへの楽曲提供、各種イベント・アプリ等のBGM制作の他、朗読台本や詩の執筆、芝居や占いなど「ことば」「声」「音」を使う分野において幅広く表現活動を行っている。
匂いデザインはフレグランスアートブランドSpAceが担当し、あらゆる空間に、アイデンティティをという活動テーマだ。(@space_fragrance_)
チラシデザインはmoyuさん(@moyu_nouki)が担当している。Vtuber濃綺もゆを運営したり、WEBデザインなどのクリエイティブな幅広い活動をする。
プロジェクターの光や、太陽光線にあたると、部屋の空気中に浮遊する「ホコリ(塵)」は、宇宙空間全体にある、宇宙の法則(宇宙空間に散りばめられた星々)を感じさせる、ミクロ・マクロの世界の〔星〕のようだから、なんとも不思議な視点、映像感覚表現である。地下1階の展示では、光のあたった空気中のホコリが、星の瞬きを連想させる!これは科学現象では、チンダル現象とよばれるものである。ミクロ規模の世界に視点を向ければ、空気中に舞ったり、人間などの生物に付着している「ホコリ」が、チンダル現象のキラキラした「光の粒」となって美しさを表現しているから幻想的。人間の身体、衣服に付着した「ホコリ」も、デジタル装置でその全体的な動きを察知して、デジタル上の(仮想空間的な)光の表現として浮き上がらせる、最新のデジタル分野のアートとなっている!
2階の展示では、日常生活でみつけた「ヒビ」を写真として撮り溜めてそれらを印刷したものを、パネルとして正方形の額の中に入れ、展示観賞者は自由に金具を取り付け、パネルの位置、配置を変えることができる、アイデア溢れるインスタレーションであり、普段見落としがちな「ヒビ」の存在を、あらためて認識するだけで、現代アートのアーティストの気分を味わう。
2020年から世の中は、マスク装着する潮流が主流となって、政府の命じた緊急事態宣言下で、自宅での引きこもりの生活、活動はリモートワーク、テレワーク、在宅ワーク(在宅勤務)などと呼ばれはじめ、オンライン化社会のデジタル化、IT化体制では、常に「ホコリ」とのたたかいになっていた…という〔恐怖のウイルス=コロナウイルスシナリオ(コロナストーリー)〕であり、マスコミ軍閥のシナリオライターたちによる、そのシナリオ設定は「ホコリ」さえも敵である存在だと認識されたが…
一方では、人間の生活に敏感に反応したアーティストの感性は、「ごみも排泄物も、塵もホコリも全て密接に繋がる」「ごみやホコリを、メディウムとして捉えることができる」「ホコリの浮遊する空間の姿は、そのまま宇宙空間に喩えることができる」という発見をもたらしているから、「ごみ」「ホコリ」のその可能性は無限大に広がり、けっして無視はできないくらい、その視点はアーティストの立場から世の中に、打ち出されているのだ!こんな御時世に、アーティストの作り出しているアート空間は、きっと我々に癒やしを与えてくれるだろう。